東京メトロ:視覚障がい者ナビゲーションシステム「shikAI」のサービスを開始

2021年1月27日水曜日より、東京メトロ千代田線・副都心線の明冶神宮前〈原宿〉駅、有楽町線の新木場駅・辰巳駅、副都心線の北参道駅・西早稲田駅の5駅で、視覚障がい者のナビゲーションシステム「shikAI」のサービスが本格始動しました。「shikAI」は、駅構内の点字ブロック上にQRコードを設置して、iPhoneのカメラで読み取ることで現在地から目的地まで音声を用いてナビゲーションを行います。このサービスは、東京メトロが持つ経営資源とベンチャー企業が持つ新技術やアイディアなどを組合せることで、東京の発展に寄与する新しい価値の創造を目指す「Tokyo Metro ACCELERATOR 2016」で、視覚障害者向けのナビゲーションシステムを提案し最終審査を通過したリンクス株式会社(当時「プログレス・テクノロジーズ株式会社」)が、2017年より開発をスタートし、東京メトロ総合研修訓練センターや辰巳駅での実証実験、辰巳駅と新木場駅で実施された一般公開に向けた導入前の最終検証を実施し、計150人以上の視覚障害者の方々の協力を得てアプリが完成しました。

「shikAI」アプリを使用する成田 ゆり子さん。
「shikAI」アプリを使用する宮本 博さん。
駅構内の点字ブロック上に設置されたQRコード。

1月27日水曜日、西早稲田駅にて、視覚障がい者の方が「shikAI」を使用して目的地まで移動する様子が報道陣に公開されました。視覚障害の方が、片手に白杖、もう一つの手にスマートフォンを持ち、ナビゲーションの音声案内に従いながら、ホームから改札口を経て出口まで移動しました。使用した方の感想は、「目が悪くなってから一番不得意なのが歩行だったので大丈夫かなと思ったが、情報が的確ですごいなと思った。開発した方々へ感謝の思いでいっぱい」「実証を重ねてちゃんとしたアプリにできた事が嬉しい」と話していました。

この視覚障がい者ナビゲーションシステム「shikAI」は、iPhoneのVoiceOver機能を使用して操作をします。
「shikAI」を立ち上げ、メインメニューでナビゲーションを選択し、目的地を設定すると目的地までの案内が開始されます。スマートフォンが、点字ブロックに貼られたQRコードを認識し、次のポイントまでの距離と曲がる方向などの情報が案内され、ルートを間違った場合は、正しいルートへの案内、また危険個所の案内もされます。

「shikAI」アプリ、項目を画面表示した状態。
iPhoneのVoiceOver機能で触った場所を音声で案内出来る。
スマートフォンのカメラでORコードを認識しながら案内をする。

「shikAI」の利用には、iPhoneのiOS14.0以降に対応している機種が必要です。AppStoreで「shikAI」アプリを入手、アプリ内で「shikAI」アカウント登録をすると、利用案内メールが届き、アプリ説明日程の案内を受け取ります。アプリの説明は実際の駅で、歩行指導員(東京都盲人福祉福祉協会のスタッフ)がアプリの操作説明をし、shikAI認証キーが付与されます。

2021年4月までに銀座線の外苑前駅、有楽町線の東池袋駅・護国寺駅・豊洲駅の4駅も順次公開となります。