NEXCO中日本:新東名報道向け現場見学会を開催!

2023年12月14日木曜日、2027年度の開通に向けて建設中の新東名高速道の新秦野IC~新御殿場IC間の建設現場の様子が報道公開されました。
新秦野IC~新御殿場IC間は全長25キロで設計速度120キロ、暫定4車線の仕様で工事が進められています。静岡県側は沼津工事事務所、神奈川県側は秦野工事事務所が担当しています。秦野工事事務所では、新秦野IC~山北町までの14.2キロを担当、橋梁部分が全体の16%、トンネル部が64%を占めます。
河内川橋は、建設中の山北スマートIC近くに出来る日本最大級のアーチ橋で上り線の長さ771m、下り線は692m、川からの高さは125mあります。高低差の著しい地形対応や工期短縮を図るため、橋脚から左右のバランスを取りながら骨組みを両側に伸ばしていき、板でアーチ同士をつなぐ、バランスドアーチ橋を採用、橋脚間は最大220mあります。現場には、資機材や重機、作業員などを90トンまで積載できるインクラインや工事用車両が通過する為の工事用トンネル、高低差に対応するための55トンまで積載できる工事用リフトなどが設置されています。取材時は、橋脚アーチ建設が行わていました。

橋脚アーチ橋を建設中の河内橋


河内川橋から少し御殿場よりの所では、高速道路建設と合わせて、山北スマートICを建設中でこのICは東京方面のみ行き来可能なハーフICです。ここの盛り土はトンネル工事などで発生した建設発生土を利用しています。本線は盛り土で高さ80mまで上げる作業が行われています。また、この付近にはお城があった場所があり、2018年から2021年まで埋蔵文化財調査が行われていました。ictを活用して安全性、効率化などが図られています。測量はドローンを用いておこない、現場の面積約25ヘクタールある土地を従来では約2週間掛かっていた測量をドローンでの測量により約2時間に短縮しました。他にも3次元の設計モデルを用いることによって、構造物やのりなどの細かい部分まで地上で検討が出来るようになりました。完成した状態も360度モニターで確認出来ます。また、マシンガイダンス・マシンコントロール採用をしていて、GPSより高精度なGNSSを用いて機械の位置を把握、地形の高さを色で画面に表示して、完成に向けて施工作業が行われています。これにより、人が近くで誘導や確認などなしに作業が行えます。

建設中の本線と山北スマートIC
測量はドローンで行われた
谷ヶ山トンネルは映画「シン・ウルトラマン」の撮影地になった


山北町と松田町の境にある高松トンネルは上り2851m、下り2864mの長さがあります。取材時、上り約1.5キロ、下り約1.4キロの掘削が終わっています。このトンネルは一部脆弱な地盤や断層や土着化したり粘土化した土が出ている関係で有識者の意見を聞きながら施工をしています。この日の作業は、トンネルが崩れないように、掘削面の上方に12.25mの鉄のパイプみたいのを打ち込んでそこに大量の凝固剤を注入する作業が行われていました。また、下の方にも4m位のボルトを打っていて横からの変位に耐えられるようにしたり、各所に対策が施されています。先を掘るのに地質などを確認しながら進められています。トンネル工事は24時間3交代で行われています。

重機を使っての凝固剤注入作業
水に浸かるとボロボロになる岩がこの辺であちこち出ている
側面もトンネル崩壊防止のためボルトが打たれている

新東名高速道路の事業を紹介している。事業PR館が2箇所あります。ここでは、工事の進捗状況やトンネル・橋の模型、実際に使用している道具などが展示されています。山北事業PR館では新東名の建設場所が一目でわかるジオラマ模型などがあり、日本最大級アーチ橋河内川橋が出来ていく様子などが紹介されています。松田事業PR館では難工事の高松トンネルや中津川橋の工事過程をVRで体験できます。またデッキからは中津川橋の工事現場を一望できます。事業PR館の見学には予約が必要です。

※山北・松田事業PR館(予約ページ)https://airrsv.net/shintomei-hadano/calendar

山北事業PR館のジオラマ
工事進捗を見られる(山北事業PR館)
トンネルやアーチ橋を構造が体験できる(山北事業PR館)
松田事業PR館ではデッキからは中津川橋の工事現場を一望できる
中津川橋、高松トンネルのパネルや道具が展示されている(松田事業PR館)