鉄道博物館:企画展 「大機関車展~日本の鉄道を引っぱった勇者たち~」開催中

埼玉県さいたま市にある鉄道博物館では、本館2階スペースギャラリーにおいて、企画展 「大機関車展~日本の鉄道を引っぱった勇者たち~」を2024年1月29日月曜日まで開催中です。今回は年々活躍の場が狭まっている電気機関車とディーゼル機関車にスポットを当てています。貴重な写真や資料の展示がされています。ギャラリーの入口には、北斗星のヘッドマークを掲出した、1985年にお召列車を牽引したEF81形81号機のパネルが展示されています。このパネルのEF81形は実物と同じ大きさで、前に立つと機関車の大きさが体感出来ます。

北斗星のヘッドマークを掲出したEF81形81号機のパネル

ギャラリーに入ると、まずは「第1章 機関車から電車・気動車へ」では、日本の鉄道の線路条件では、機関車より電車・気動車の方が適していて、国鉄は1960年以降、各線の電化・ディーゼル化が進められました。日本の動力車近代化の変遷や蒸気機関車、電気機関車、ディーゼル機関車のエネルギー効率の比較などがパネル解説してあります。


「第2章 日本の機関車」では、蒸気機関車から電気機関車・ディーゼル機関車への交代の解説や明治末期から実用化された電気機関車の歴史、大正時代には、海外からサンプルを輸入して国産化する話しや交流機開発の話などがあります。また、電気機関車の図面や資料が展示され、電気機関車教習車に搭載されていたED75形の教習用モックアップも展示されています。運転席を覗くとJNRの灰皿があり、実際に使用されていました。ディーゼル機関車の紹介では、完全国産化するまでの苦難の開発過程が紹介されています。また、DD53形の貫通扉やDD14形の資料などが展示されています。また、動力近代化後の展開も紹介されています。

はくつる・はやぶさのヘッドマークが展示されている
ED75形の教習用モックアップ
灰皿が取り付けてある
ディーゼル機関車の解説パネルとDD53型の貫通扉。

「第3章 機関車黄金時代」では、機関車が活躍していた時代昭和20~30年代の写真や資料を展示しています。

「第4章 今を生きる機関車」では、今も現役で活躍している機関車を紹介しています。また、6月まで大宮工場で全般検査を受けていた「ばんえつ物語」を牽引するC57形180号機の工場での検査の様子をビデオで紹介しています。

C57形180号機の工場での検査の様子のビデオ上映時間は約20分弱である。

「第5章 EF58 形のあゆみと”ロイヤルエンジン”61 号機」では、博物館に保存されているEF58形61号機の紹介で日立の文字の謎の解説や1984年欧風客車「サロンエクスプレス東京」が鉄道友の会のブルーリボン賞を受賞した時、61号機がヘッドマークを掲げて記念列車の先頭に立った時のヘッドマークを展示しています。また、1983年に廃車となった61号機と同じお召列車専用機60号機のナンバープレートも展示されています。

60号機は東芝で製造された。

その先には、ナンバープレートが多数展示され、EF58形51号機は特徴があり、ナンバープレートは、基本的に、合金製で縁や文字はメッキか磨きだしですが、このプレートは元は合金ですが縁と文字はステンレスを切って貼ってあるとの事で、日立製で61号機と同じロットの同機で見られるそうです。大型模型は交通博物館に展示をされていたもので細かい部分まで再現されています。

EF58形51号機のナンバープレート


展示されているEF58形 61号電気機関車は10月30日月曜日までは「つばめ」のヘッドマークを掲出、その後12月28日木曜日までヘッドマーク掲示が3回行われ、2024年1月2日火曜日から3月31日まではお召飾りを掲出する予定です。またEF55形1号機は、第二次世界大戦中に機銃掃射を受けてます。運転室内にその痕跡が残っています。

つばめのヘッドマークを掲げたFE58形61号機
EF55形1号機
矢印の間に機銃掃射を受けた痕跡が残っている。


今回の企画に合わせて「学芸員による企画展ガイドツアー」、「展示用機関車模型公開」、「EF58形61号電気機関車 気笛吹鳴」が予定されています。詳しくは公式ホームページをご覧ください。