滋賀県の「盆梅展」と「ひな人形めぐり」のプレスツアー
2016年2月4日より、1泊2日で滋賀県の「盆梅展」と「ひな人形めぐり」のプレスツアーが実施されました。
集合は、米原駅で、近江鉄道側の東口には、米原湊跡の石碑があり、ここは港で琵琶湖まで通じてたそうです。
米原駅
近江鉄道
伊吹山
ここからバスで移動、東海道本線の醒ヶ井駅を超え、伊吹山を横に見ながら、米原市池下にあるすぱーく東山で3月10日木曜日まで開催の「第34回鴨の里 盆梅展とおもと展会場」に到着。会場には、百鉢くらいの地元愛好家が丹精こめて育て上げた盆梅が展示してあり、会員所有の三百鉢余りの中から厳選し、入替えを行いながら常時約百鉢が展示されています。また、「おもと」は、古くから縁起物として重宝された、日本の伝統園芸植物であり、観葉植物のパイオニアです。琵琶湖の水で育ったおもとが展示されています。
昼食は、長浜市木ノ本町古橋にある「己高庵」へ、ここ古橋は、関ヶ原合戦場から姿を消した、石田三成が捕獲寸前まで身を潜めていたと言われるオトチの岩窟があります。古橋の伝承によれば関ヶ原から逃れた三成は一旦、法華寺に身を寄せましたが、追っ手から逃げるため、幼なじみの与次郎に案内され、オトチの洞窟に潜伏したといわれています。昼食の「三成御膳」には、古橋に残る、「三献の茶」と「ニラ粥」の伝承にちなんだメニューとなっています。
長浜市鍛治屋町は、豊臣秀吉の時代は武具や槍鍛冶で、明治時代になると農具を作る野鍛冶へと変化をしながら栄え当時100軒近くの鍛冶屋があったそうです。昭和中期になると一斉廃業しました。この文化を伝承するため、草野さんら鍛冶屋まちづくり委員会の有志により、現存して実際に使える鍛冶小屋「まんよ鍛冶小屋」を使用して、鍛冶体験を行っています。鎚打ち、ペーパーナイフ体験が出来、個人でも体験が出来ます。
長浜市石田町にある八幡神社は、代々の石田家がお祀りした氏神との伝承があります。近くには、石田家の屋敷跡があり、敷地には石田三成公の銅像や石田治部少輔出生地の石碑があり、石田会館が建っています。三成の生涯を描いた絵巻パネルや鎧やゆかりの古文書などが展示されています。
法要厳修75回目に当たる石田三成祭は、11月6日に開催される予定です。
長浜駅の近くある慶雲館では、3月13日まで開催の「第65回長浜盆梅展」を見学。高さ3m近い大きな盆梅や樹齢400年を超える古木などがあり、見ごたえがあります。また、開催期間中の土日祝日(3月12・13日は除く)には、入館時間を延長して、夜間ライトアップが行われています。
慶雲館の向かいにあるのが、長浜鉄道スクウェア、入口には、明治の主だった人物が書いたトンネルの石額が展示され、その奥には明治15年に完成した旧長浜駅舎が保存されています。洋風の建物の中に入ると出改札口、待合室、駅長室などが見学出来、琵琶湖(長浜~大津間)に就航した、国内初の鉄道連絡船、太湖汽船会社の広告が展示されています。また、D51蒸気機関車や北陸本線電化後活躍したED70形電気機関車や鉄道模型、歴史パネルの展示がされ当時の様子を知ることが出来ます。
2月13・14日はライトアップがなされた。
長浜市元浜町にある黒壁スクエア一帯では、ガラスのひなまつりを3月3日まで開催しています。黒壁の店内には大小様々なガラスのお雛様が勢揃いしていて、工房での製作風景も見学出来ます。
夕食は、千茂登へ、長浜の鴨料理は、漁師が魚をとる網にたまたまかかった鴨を捕まえて、食用として売り歩いたのが、長浜の鴨料理の始まりです。「鴨すき」は、11月から3月末までの冬季限定の料理で、天然の真鴨にのみを使用、合鴨と違い脂身のしつこさが無いのが特徴です。野菜も地元と契約栽培を結んだものを使用したこだわりのある美味しい鴨料理でした。
夜は、長浜市にある「北ビワコホテルグラツイエ」に宿泊、琵琶湖のリゾートホテルで、館内は北イタリアのヴィローナの街を感じさせるインテリアであふれ、窓からは琵琶湖や伊吹山を見ることが出来ます。また、最上階にある展望浴場テルメは宿泊者専用のジャグジーで湖畔の眺めを愉しみながらリラックス出来ます。
翌日は、ひなまつりがメインの取材で、まず日野町へ移動。
まずは、近江商人館へ、かつてこの邸宅は、約300年の歴史を誇る日野商人の山中兵右衛門宅で、日野商人宅に伝わる貴重な雛人形が飾られています。雛壇には、埼玉県鴻巣市などの日野商人が持ち帰ったと考えられる雛人形やトウモロコシの雛人形など様々な雛人形があります。また、館内には、行商の持ち下り商品や日野千両店、日野大当番仲間などの資料や外国産の貴重な石薬や日本最古級のワインが展示されています。
観光協会のある正野感応丸は、江戸時代に日野椀に代わって行商の有力商品になった「万病感応丸」の創始者「正野法眼玄三」の薬店でした。館内には新旧の雛人形や創作雛人形などが展示してあります。
ふるさと館「旧山中正吉邸」は、静岡県富士宮市で酒造業を営んだ日野商人の屋敷で、昨年(平成27年)に町の有形文化財に指定されました。館内には、町に残る貴重な史資料や絵図などが展示してあり、事前予約(概ね10人以上)をすると新座敷にて庭園を眺めながら伝統料理を堪能する事が出来ます。
また、家々には、日野祭りを見物する為の桟敷窓があり、ひな祭りの時期には、桟敷窓を覗くと雛人形が見られます。「日野ひなまつり紀行」は3月13日まで開催されています。
昼食は、近江八幡市永原町にある尾賀商店へ移動、尾賀商店は築150年の古民家に6店舗(和食、ハンコ、古本、手芸など)のお店が入っています。その中の古代米「すいらん」にて、古代米のご飯と旬の地元産野菜、魚を使ったお弁当を戴きました。
ここから近江八幡を散策、八幡山ロープウェー乗り場を過ぎ宮内宿へ会館の中では、毎年3月に開催の「左義長まつり」(今年は12・13日)でのダシの製作現場を見学しました。ダシの材料は海産物や穀物などの食材で、意匠を凝らし、時間をかけて作られます。出来上がり楽しみです。
八幡堀は、運河として利用され近江商人を育んだ堀で、観光のシンボルとなっています。時代劇やテレビドラマのロケ地として知られています。
メンタームで知られる近江兄弟社の向かいには、近江八幡を愛したアメリカ人ヴォーリズの銅像があります。
ヴォーリズさんは2月2日にやってきて今年が111年目となり、NHK「あさが来た」の廣岡家とも関係があります。
近江兄弟社
ヴォーリズ銅像
新町通り、八幡堀周辺、永原町通り、日牟禮八幡宮境内地を加えた13.1ヘクタールは、滋賀県初の国の重要伝統的建物群保存地区に平成3年に選定され、切妻造桟瓦葺、平入の木造建築が基本に、道路に面する庭に見越しの松を配しています。近江八幡では中二階建が多く、貫見せ(軒下の壁に貫を見せる)は、他に例の少ない独特 の意匠と言われています。
旧西川利右衛門家住宅は、11代約300年続いた商家で屋号を「大文字屋」と称し、蚊帳や畳表などを扱って財を成しました。館内は、主屋の居室と店の間を公開し、着物や調度類などが展示されています。また、江戸時代末期や大正時代の古今雛が展示されています。
郷土資料館では、近江八幡の歴史の紹介や近年まで使用されていた諸道具やこの地の代表的な祭りが展示されています。木目込み雛や雛壇に飾る本物そっくりの家具などが展示されています。
旧伴家住宅は、江戸時代八幡町の中でも一等地にあった、京街道と新町通の角地に建つ八幡商人の隆盛を物語る建物の1つで、入口に入ると土間が広がり、土間の中央には左義長が飾られています。この時期はたくさんの雛人形が並んで目を愉しませてくれます。
近江八幡節句人形めぐりは3月21日まで開催しています。
近江八幡から東近江市に移動、東近江市は、日本遺産「琵琶湖とその水辺景観ー祈りと暮らしの水遺産」に認定されています。金堂まちなみ保存交流館は、三中井百貨店の中江4兄弟の三男、富十郎の邸宅です。この時期は、アートフラワーの雛人形や中江家の木目込人形などが展示されています。
中江準五郎邸は、江戸時代末期から昭和戦前期に革新的な商法で全国に行商し、豪商へと出世した商家です。この時期は、近江の麻をまとった平成の創作雛「清湖雛」や東日本大震災に思いを届ける「絆雛」などや、郷土玩具である日本各地の人形や小幡でこが展示してあります。
通りにも雛人形が飾られている
外村宇兵衛家も豪商へと出世した商家で外村家に伝わる親王飾りや有識雛源氏枠飾りなどが展示されています。
川の水を取り入れた川戸と呼ばれる水屋
外村繁邸は、昭和10年「草筏」が芥川賞候補、昭和13年池谷賞を受賞、昭和31年「筏」が野間文学賞を受賞した滋賀を代表する作家の邸宅で、外村宇兵衛家の分家として江戸時代末期に建てられました。こちらにも水屋があり、玄関に続く石畳の右手には広い庭があります。小説を書いていた小座敷や女中部屋・松の節つきの一枚板・蔵などがあり、明治時代の雛人形や市松人形などが展示されています。
川には鯉が住んでいる
東近江市の商家に伝わるひな人形めぐりは3月21日まで開催されています。
この時期に、歴史のある滋賀に訪れ、盆梅や雛人形を散策してはいかがでしょうか?