栃木県日光市にある日光金谷ホテルは2023年6月に創業150周年を迎えました。金谷ホテルは1873年に金谷善一郎邸に外国人を宿泊させた「金谷カテッジイン」からはじまります。1893年に日光金谷ホテルの建つ現在地に移り、金谷ホテルがスタートしました。日光観光ホテル（現中禅寺金谷ホテル）は1940年に竣工しています。日光金谷ホテルは本館、新館、別館、第二新館で構成されています。別館は現在7月15日のリニューアルオープンに向けての工事が進んでいます。リニューアル後は「別館 ROYAL」となり、エレベータの新設、一部客室の拡張、銅板屋根の葺き替えなどが実施されます。

ホテルでは本館をはじめとする登録有形文化財やホテルの歴史を巡る館内ツアーが実施されています。フロントの壁には、創業者の金谷善一郎、金谷家が外国人向け宿泊業開業のきっかけとなったJ.C.ヘップバーン、日本を旅行し「日本奥地紀行」を記したイザベラ・バードの写真が飾ってあります。金谷家は徳川に仕えた武士で館内には5000点以上の彫刻があるそうです。ツアーでは彫刻や有形文化財、館内のみどころの説明などが行われます。ツアーは17時にロビーに集合し、約40分のツアーを楽しむことができます。

創業150周年を記念しての特別メニュー「金谷ホテル150周年記念ランチ」が登場しています。オードブルでは、金谷ホテルが経営する清滝養鱒場で獲れた虹鱒の軽い燻製や自家製キャビアを使った海老などを楽しむことができます。スープは、日光の天然水を使用した伝統的な仕立てのコンソメスープにロワイヤルを浮かべ、1896年当時のメニューを復刻しています。魚料理では、清滝養鱒場の「プレミアムヤシオマス」の軽い燻製が提供され、醤油、砂糖、酒、バターで調理されています。この料理は1902年頃の復刻メニューです。肉料理には、「とちぎ霜降高原牛」のフィレ肉ステーキが用意され、ペリグーソースと農園野菜ローストが添えられています。この料理は1896年の復刻メニューであり、ペリグーソースはトリュフのソースですが、当時はトリュフが入手困難であったため、マッシュルームが使用されています。デザートには、キルシュ風味のクレーム・ブリュレが提供され、明治時代のレシピ「プティング・ド・金谷」が再構築されています。また、特別メニューとは別に、大正時代のメニューを復刻した百年ライスカレーも味わうことができます。
特別メニュー「金谷ホテル150周年記念ランチ」は料金1万円で前日までのご予約制となります。