東武鉄道「異常時総合訓練」実施
今年も東武鉄道の「異常時総合訓練」が、南栗橋車両管区において実施されました。
この訓練は、踏切事故やテロなどに重大事故が発生した場合における併発事故防止や、負傷者の救出・救護、お客様の避難誘導、
事故復旧体制の確立など、異常時における知識・技能の向上を目的に、1965年から毎年実施されています。
社内の各現業職場、グループ会社や協力会社など約100名が参加しました。また、今年は埼玉県鉄道災害消防活動安全連絡協議会の
訓練として、埼玉県第4ブロック消防本部および埼玉県内の21消防本部も参加し、合同訓練が行われました。
開会宣言の後、東武鉄道根津社長の訓示で、「安全対策に終わりはない、安全は東武鉄道、東武グループの根幹、この機会に再度再確認をしてもらいたい」と話していました。
今回の事故の想定は、伊勢崎線久喜駅~鷲宮駅の踏切道で踏切道内に進入した乗用車と、館林発東武動物公園行の列車が接触し、乗用車は大破、運転者(重症)が車内に閉じ込められ救出困難な状況となり、また車内の乗客にも複数名の負傷者が発生、この事故で車両が脱線し、線路、架線、通信線、踏切、保安装置等が損傷、東武動物公園駅~加須駅間が不通となる内容でした。
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以下の訓練が順番に実施されました。
第1訓練は、踏切障害事故(列車脱線時)発生時の処置訓練(併発事故防止)
TEスイッチ(列車緊急防護スイッチ)を操作により、防護発報の発信、非常ブレーキ操作、パンタグラフ降下が同時に行われる。
テントには、列車と連絡をやりとりする、運転指令や久喜駅などのブースがある。
第2訓練 消防・警察と合同による負傷者の救護および避難誘導訓練
消防隊に合図する係員
今回は、この後埼玉県鉄道災害消防活動安全連絡協議会の閉会式が行われました。
講評する田中さいたま市消防局警防部長
第3訓練 対策本部指揮による事故復旧訓練
乗用車を移動するレッカー事業者
乗用車を移動後、一斉に事故復旧訓練が行われました
脱線した車両を復旧する係員
ジャッキアップで車両をレールに戻したのち、脱線した一軸目に仮台車が装着された
第4訓練 救援列車による併結訓練
事故車両は、制御器破損の為自走不能
運転指令より後続列車が救援列車となり到着
訓練終了後に閉会式が行われました。
講評する都筑取締役鉄道事業本部副本部長
こういった取り組みにより、鉄道に携わる人々のさらなる安全への意識、技能の向上が養われ、突然の事故にも迅速対応が出来るのではと思います。
列車の事故は多くの人を巻き添えにしてしまいます。そうならない様に心掛けないとならないと思いました。