東武鉄道:駅構内で収集された空き飲料容器を回送列車で輸送する実証実験を実施
2021年10月1日から14日まで、東武線の北千住から北春日部の各駅に設置したキリンビバレッジの自動販売機横のリサイクルボックスにて収集された空き飲料容器を車両基地へ戻る回送列車を活用して輸送する実証実験が行われました。これは飲料自動販売機におけるベンダー業務の中の安全性が求められる空き飲料容器回収作業を東武グループが担い、飲料メーカーのベンダー業務効率化と通勤・通学輸送を終えて基地に戻る回送列車を有効活用させる新たな取り組みとしての事業性や効果を検証するものです。この実験には、東武グループ企業を中心に4社が作業を行い、キリンビバレッジが協力し、空き飲料容器回収方法やリサイクル・分別等に関する知見の共有が行われました。その様子が10月7日報道陣に公開されました。東武ビルマネジメントの清掃員が、自動販売機横のリサイクルボックスを開けて、空き飲料容器が入ったビニール袋を回収し、専用のカートで保管場所へ運ばれます。
当日は前日回収した空き飲料容器のビニール袋をホームへ移動、10時15分に空き飲料容器を輸送する回送列車が、北千住に入線しました。空き飲料容器輸送には、70000型車両の7両編成中、最後尾車両が使用されます。手動でドア操作が行われ、液漏れの対策として床面をブルーシートで養生したのち、空き飲料容器のビニール袋が積み込まれブルーシート上に置かれます。今回北千住では7袋が積み込まれました。列車は10時20分に出発、春日部まで各駅に停車します。回収駅は日により異なり、今回は、梅島・谷塚・新田・越谷・せんげん台・春日部でした。
回収駅では、ホームに清掃員が待機していて、東武鉄道の社員により手動でドアが開くと短い停車時間の中、空き飲料容器のビニール袋が手渡され、素早く積み込まれます。積み込むと袋を2重にしてブルーシート上に置かれます。今回は合計21袋が積み込まれました。
春日部を発車後は、北春日部に停車、そこから基地のある南栗橋車両管区春日部支所へ列車は移動します。検修庫内を走りポイントを何本も渡りながら基地に到着、空き飲料容器のビニール袋を列車の横で待機をしている高田産業のトラックに積み替えられます。積込み後トラックは、以前は東武鉄道の社員育成の為に使用され、現在は機能移転されて空室となっている旧能力開発センターの建屋へ移動しました。
袋はこちらの建屋に運ばれます。こちらでは、障がい者の雇用促進を行っているシンフォニア東武が、回収したペットボトル、空き缶、空きびんの仕分けを行っていました。仕分けが済んだ、各容器は高田産業のトラックに運ばれリサイクル処理会社へ引き渡しが行われます。東武鉄道では、所有する様々なサービスを活用することで、旅客輸送だけに留まらない新たな輸送サービスを検討しています。