静岡県富士宮市:富士山世界遺産登録10周年を迎えた静岡県富士山世界遺産センター

今年で富士山世界遺産登録10周年を迎えた静岡県富士山世界遺産センターは、富士宮市に位置しています。富士山は2013年6月22日に第37回ユネスコ世界遺産委員会によって「富士山:信仰の対象と芸術の源泉」として登録されました。静岡県富士山世界遺産センターは2017年12月23日に開館しました。

センター入口の冨士山本宮の鳥居
逆さ富士の形をした建物

センターの入口には富士山本宮の鳥居があり、隣には木格子の外壁を持つ逆さ富士の形をした建物があります。また、建物が映し出された水盤には富士山の姿が現れます。建物は5階建てで、193mのらせんスロープを上がることができます。このスロープには映像が流れ、海からの富士山、平地から五合目、五合目から森林限界、森林限界から山頂、そして山頂からの風景と、富士山を登っていく雰囲気を感じることができます。

スロープの映像
スロープを歩いていると影絵の人物か登場する

各階にはテーマごとの展示があります。例えば、「荒ぶる山」では、富士山の誕生や成り立ち、人々との関わりなどが紹介され、「聖なる山」では富士山が信仰の対象としてどのように崇拝されてきたかが探究されます。また、「美しき山」では美術や文学において富士山がどのように表現されてきたかが紹介されています。「育む山」では富士山から駿河湾までの生態系や自然環境について紹介され、「受け継ぐ山」では噴火の影響や富士山を題材にした鉄道や絵はがき、銭湯などが紹介されています。展望ホールでは天気の良い日には雄大な富士山を眺めることができます。

展望ホールから望む富士山、赤い鳥居は富士山本宮浅間大社

さらに、映像シアターでは大型スクリーンを使った四季折々の富士山の映像を楽しむことができます。また、定期的に企画展も開催されていますので、詳細は公式ホームページをご覧ください。

富士山世界遺産センターからは水の綺麗な神田川沿いを歩いて行くと、富士山本宮浅間大社があります。浅間大社は富士山の構成資産であり、白糸ノ滝や村山浅間神社など6つの構成資産のうちの1つです。徳川家康によって建てられた本殿や拝殿、楼門などは全国的にも珍しい浅間造と呼ばれる2階建ての構造を持ち、朝廷や徳川家の紋章、富士山の模様などが彫刻されています。これらの建造物は国指定重要文化財に登録されています。また、浅間大社の近くには涌玉池と呼ばれる池があり、ここは富士山に降った雨や雪が地中に染み込んで湧き出したものです。涌玉池は国指定特別天然記念物に指定されています。

富士山本宮浅間大社の鳥居から望む富士山

富士宮市は富士山世界遺産センターや富士山本宮浅間大社へのアクセスが便利です。JR身延線の富士宮駅からは徒歩で行くことができます。また、東海道本線の富士駅から身延線、東海道新幹線の新富士駅からはバスでアクセスすることも可能です。