NEXCO中日本:「i-MOVEMENTショーケース見学会」を開催

2022年10月27日木曜日、「i-MOVEMENTショーケース見学会」が伊勢原保全・サービスセンターで開催されました。i-MOVEMENTは最先端のICT技術・ロボティクス技術の導入により、人口減少など高速道路を取り巻く環境の激変に対応しつつ、高速道路のモビリティの進化を目指す活動として、NEXCO中日本が2019年6月から取り組んでいます。見学会では最新技術を取り入れた取り組みが報道陣に公開されました。

あいさつする小室代表取締役社長CEO

・小径管点検ロボットは、人の侵入が不可能な高速道路隣接地域の排水管を点検するロボットでLED照明を備え、前方には360度カメラが後方には1200万画素カメラが備わり、ひび割れなどの点検を行います。

小径管点検ロボット

・鋼板桁橋狭小部点検ロボットです。鋼板桁橋に検査路が設置されていない桁間の点検は、従来は高所作業車を使用して行っていましたが、準備から実施まで多くの時間と労力がかかってしまう事を解消する為に開発されたロボットです。桁間に2本のケーブルを設置、その上をロボットが移動し撮影して点検を行います。

小径管点検ロボット

・橋梁点検ドローンは高橋脚の橋梁や幅員が広いなどの理由から、橋梁点検車等でのアクセスが難しい個所や地上や検査路から視認出来ない部分の点検にドローンを使用して行います。このドローンには一眼レフカメラを搭載、GPSが受信出来ない環境下でも自動航行、自動撮影が行えます。

橋梁点検ドローン

・路面性状測定車は、高速走行をしながら舗装路面の「平たん性」「ひび割れ」「わだち掘れ」の3要素を測定する車両で、乗り心地を測定するIRI測定器、わだち掘れを測るラインセンサーカメラと赤外線レーザー光、ひび割れを見つけるデジタルカメラとハロゲンヘッドランプが備わっています。

路面性状測定車(ロードタイガー)ラインセンサーカメラと赤外線レーザー光は前部に備わっている
2台のPCに制御器が繋がり測定ができる

・橋梁伸縮装置点検車は、時速80キロで走行しながら小型マイクロホンと振動センサーにより、橋梁のつなぎ目にある橋梁伸縮装置を通過する音と車両の振動加速度を計測、健常時データを比較して健全度を評価します。

橋梁伸縮装置点検車(ROAD CAT)

・施設構造物変状検知システムは、時速100キロで走行しながらトンネルなどの施設構造物を8Kカラーラインカメラにて高精細画像を撮影、撮影した設備の画像をAI処理により過去のデータと比較して検査結果を判定します。

施設構造物変状検知システム(DSCV)
車内では8Kのカメラで撮影をおこない、そのデータを基に点検が行われる
照明を当てながら点検が行われる。

・新型路面清掃車は、路肩やガードレールの脇に落ちているペットボトルなどのゴミを発見したら停車して、車内での操作により吸引装置を用いてゴミ回収する車両で、作業員が高速道路上に降りる回数の削減が図られています。

新型路面清掃車
新型路面清掃車での回収作業

・AI画像処理搭載巡回車は、維持管理車両の全方向に高画質カメラ、振動検知センサー、音声収集センサー、路面状態検知センサーを搭載し、走行映像や収集したセンシング情報を蓄積して、各種分析を行い路面形状などの点検を行っています。

AI画像処理搭載巡回車

・侵入車両AI検知システムは、AIの画像処理技術を活用して工事区間などの一般車を規制しているエリアに一般車が侵入した時に、作業員のインカムに警告アラートを発報し作業員の迅速な退避行動を即します。

侵入車両AI検知システム

・誤侵入車両感知システムは、電光センサーが誤侵入車両を即座に感知し作業員に危険を知らせる装置で、ラバーコーンにある電光センサーを誤侵入車両が遮断した際に、作業員の持つ受信機に警告がいくシステムです。
また、2023年度には新東名高速道路の建設中区間で、高速道路の自動運転時代に向けた路車協調実証実験が行われます。

ラバーコーンにある電光センサー
作業員の持つ受信機