東京メトロ:現役乗務員が企画した特別列車「夢の冒険列車 ルート銀丸」運行 銀座線と丸ノ内線を巡る特別な一日

2026年5月30日、東京メトロ銀座線で運行する1000系特別仕様車を使用したイベント列車「夢の冒険列車 ルート銀丸」が運転されました。この列車は、「お客様により一層楽しんでいただける体験を提供したい」という想いから、現役の銀座線乗務員が中心となって企画した特別列車です。

01系と特別仕様の1000系

当日は、上野車両基地から中野車両基地までを結ぶ「銀丸壱号コース」と、中野車両基地から幻の新橋駅へ向かう「銀丸弐号コース」の2コースが設定されました。東京メトロ誕生20周年を迎えた2024年以来となる銀座線のイベント列車の運行とあって、多くの鉄道ファンの注目を集めました。

地下鉄開通当時の復刻制服を着用した乗務員

「銀丸壱号コース」では、銀座線初代1000形の内外装をイメージした特別仕様の1140編成を使用。車内にはリコ式風吊手や側面予備灯が設置されており、かつて電気供給が切り替わる「セクション」通過時に見られた室内灯消灯と側面予備灯点灯の演出も再現されました。また、地下鉄開通当時の復刻制服を着用した乗務員も添乗しました。

1440号車の銘板

列車は上野車両基地を出発し、東京メトロ唯一の踏切を通過。社員に見送られながら急勾配を下り、地上と地下の二層構造を持つ上野車両基地の地下エリアへ進入しました。乗客を乗せたまま地下車庫へ入線するのは初めてとのことで、参加者は地下に並ぶ車両の撮影を楽しみました。

東京メトロ唯一の踏切を通過
上野車両基地の地下へ移動
銀座線の並びを撮影する参加者

その後、列車は上野駅浅草方面ホームへ逆走で入線。浅草駅到着後は通常営業では入ることのできない留置線へ進み、貸切車両の参加者による車掌マイクを使ったクイズ大会も行われました。

上野に到着後、浅草へ
浅草到着後さらに先の留置線へ
ワゴンによるグッズ販売が行われた

浅草駅からは銀座線乗務員による解説付きで運行。万世橋駅跡付近や幻の新橋駅へ続く分岐線付近では徐行運転を実施し、銀座線の線形や歴史について紹介されました。また、日本橋~銀座間では車内照明を消灯し、側面予備灯のみを点灯させる演出も行われ、往年の地下鉄の雰囲気を体感できる内容となりました。

日本橋から銀座間は室内照明を消灯して運転
側面予備灯が点灯する車内

赤坂見附駅付近で丸ノ内線へ進入した後は、丸ノ内線乗務員による案内のもと中野車両基地へ向かいました。四ツ谷駅の特徴的なホーム構造や四谷三丁目駅で使用される折り返し用停止目標の解説、銀座線車両の検査に関する説明なども行われました。

丸ノ内線の赤坂見附に停車
ヘッドマークを持っての記念撮影が行われた
新宿も通過した
中野車両基地では東京メトロ社員がお出迎え このツアーの実現に80名の社員が参画した

中野車両基地では、到着後に撮影会を開催。乗車してきた1000系と、かつて銀座線で活躍した01系を並べた貴重な撮影会が実現しました。特製ヘッドマークの掲出や01系の行先表示変更のほか、引退した02系の計器類やヘッドライト、行先表示器の展示も実施。さらに01系の路線案内図の展示や、ダッチングマシンを使用した硬券記念券への日付刻印体験も行われ、参加者は思い思いに楽しんでいました。

撮影会は、ヘッドマーク、行先幕を交換しながら実施された。
ポン太と02系行先表示器の展示
ダッチングマシンを用いての硬券日付入れ体験

今回のツアーには一般参加者98名に加え、貸切車両に4名が参加しました。

企画を担当した東京メトロ鉄道本部運転部浅草車掌事務室の江口直人乗務助役と山田真大朗2級車掌は、「レトロ車両という貴重な車両を活用したいという現場係員の思いが企画の出発点だった」と説明します。実現に向けては監督者の支援のもと、関係部署が何度も協議を重ねながら準備を進めてきたといいます。

江口乗務助役と山田車掌

また、撮影会で展示された01系については、係員自らが車体の前面や側面を清掃するなど積極的に準備を進めたことも紹介されました。さらに、丸ノ内線関係者や検車区、営業部門、駅係員など部署の垣根を越えた協力があったことで、今回の大規模イベントが実現したと語りました。

今後については、「好評であれば第2弾も実施したい」と意欲を示し、「銀座線や丸ノ内線だけでなく、他路線でも同様の取り組みを展開し、東京メトロの魅力をより多くのお客様に伝えていきたい」と展望を語りました。

この後、「銀丸弐号コース」が運転され、参加者を乗せた列車は幻の新橋駅へと向かいました。