東京メトロ:地震による脱線を想定 トンネル内で異常時総合想定訓練を実施
2025年11月18日(火)異常時総合想定訓練が、江東区にある総合研修訓練センターの訓練線トンネルを使用して実施されました。今回の訓練は、「地震発生に伴う脱線により、軌道および電気設備が損傷した」という想定のもと行われ、駅社員や乗務員による乗客の避難誘導に加え、消防隊と連携した負傷者の応急救護および搬送訓練が実施されました。

訓練は、地震発生による緊急停車後の対応から始まりました。運転士が線路に降り、信号炎管を使用して対向列車に停止を促す列車防護を行います。その後、トンネル内の設備および車両の状態に異常がないかを確認し、指令所へ報告しました。今回は、後方車両に脱線が確認される想定となっていました。
避難誘導を行うため、車両前面の扉に非常梯子が取り付けられました。さらに、最寄り駅から駅社員が非常梯子や応急救護セット、AEDを持参して現地に到着し、車両側面にも非常梯子が設置されました。現地対策本部が設置され、乗務員が責任者に状況を報告。責任者からの指示を受けて、乗務員および駅係員による乗客の避難誘導が開始されました。
乗客は非常梯子を使って車両から脱出し、最寄りの駅まで移動しました。暗いトンネル内を歩くことから、スマートフォンなどのライトで足元を照らすよう、アナウンスによる注意喚起も行われました。
その後、消防隊が現地に到着し、現地対策本部の責任者から状況説明を受けたうえで、負傷者の救助活動に入りました。軽傷者については駅係員が誘導を行い、この列車に乗り合わせていた東京メトロ社員も救助活動を支援しました。重傷者については、担架を用いて車内から搬出し、レール上に設置した搬送台車に乗せ換えて搬送しました。また、車椅子利用者についても搬送台車を使用して搬送が行われました。負傷者の搬送先については、本社から被害者対応のチームを現場に派遣し、負傷者の搬送が完了したタイミングで救急隊から情報収集を行っています。
すべての乗客が避難した後、乗務員が車内に乗客が残っていないことを確認し、現地対策本部責任者に報告しました。その後、非常梯子を取り外し、設備を元の状態に戻して訓練は終了しました。今回の訓練には、東京メトロ社員122名とお客様モニター40名が参加しました。

訓練後、安全・技術部次長の木暮敏昭氏は、「近年、自然災害が各地で発生していることから、地震により車内のお客様に負傷者が発生し、列車が脱線して設備が損傷するという、非常に大きな被害を想定して訓練を行いました。お客様の救護や避難誘導、設備の復旧はさまざまな場面で応用が可能であり、迅速かつ安全に対応するため、今回の訓練に取り入れました」と述べました。
また、地上を走る電車との違いについては、「一般的に地下施設の方が強いと言われています。東日本大震災の際も、都営地下鉄を含め、比較的早く復旧した実績があります。ただし、地下空間は閉ざされているため、お客様が不安を感じやすい環境でもあります。落下物については駅員が確認を行いながら、地下の方が安全であることを丁寧に案内し、お客様のパニックを防ぐよう指導しています」と話していました。










